2018年7月8日、長谷川邸にて日本髪の結髪いの実演「髪結い@長谷川邸」が行われました。
この日は、日差しが強く暑かったのですが、大勢の方に集まっていただきました。女性の方が多く、浴衣姿の方も見受けられました。
喜多川歌麿「蚊帳の中の文読み美人」(かやのなかのふみよみびじん)に描かれた女性と同じように、和装したモデルの髪を伝統的な手法で再現します。結髪は縁-enishi-代表の鳥島悦子さん。長岡市立科学博物館 新田さんによってわかりやすく解説していただきながら鳥島さんに実演していただきました。
小国和紙で雑貨を製作している、オリガミデザインとコラボで、ライトなど展示されていました。
5つのブロックに分けて最後1箇所にする日本髪に共通する手法で、その1箇所にまとめ上げて、そのアレンジで様々な髪型を作り上げていきます。
今回は、丸髷(まるまげ)という髪型を再現。
鬢(びん)(両サイドの部分)は、正面からみると灯籠の傘になっていて、透けて見えるのが特徴です。
髷(まげ)のボリュームが大きいほど、若さの象徴だったそうです。
後ろ姿の髪の曲線が艶やかに輝いていてとてもきれいでした。
これで、髪結いは完成。さいごに掻巻(かいまき)、寝巻きのようなものを着て、だいぶ絵の感じに近づいてきました。
左の浮世絵、喜多川歌麿「蚊帳の中の文読み美人」はメトロポリタン美術館に所蔵されています。蚊帳ごしに透ける女性の表情、行灯(あんどん)からもれる光の表現など、歌麿の技量が発揮された佳作です。 実際に、この絵と同じシチュエーションを再現しました。
長岡市指定文化財「蚊帳」は、寛政年間、栃尾織物の祖として仰がれる大崎オヨが制作したものです。
縁‒enishi‒ コレクションとして明治~昭和の婚礼衣装が展示していました。
オリガミデザインさんインスタレーション作品、ワークショップなども開かれており、とてもいいレトロな空間を作っていました。
約220年前の情景が再現されたようで、貴重な体験でした。